神経疾患
ミステリアスな分野?
神経病と言われると全然イメージが湧かない方や諦めた感情を抱く方も多いかもしれません。他の病気と比較して少し遠い存在に感じることや、神経病ならもう治らないのでしょ?と感じることもあると思います。皮膚病や眼疾患のようにパッと見て病気に気がつくことが困難なことも少なく無く、神経だからこれ以上わからない、と“ブラックボックス”扱いをされてしまうこともあります。歳のせいだと思って病院に連れて行って無かった、という声も少なくありません。
人間の神経病でもよくわからないのに、ましてや犬や猫のなんてもっとわからない!と飼い主さんにも言われたことがあります。一番印象的だったのが高校時代の友人に「犬も脳の病気になるんだ!?」と言われたことです。それだけまだ一般的では無いということでしょうか?
神経科で扱う体の部位はかなりざっくりですが“脳、脊髄、前庭、末梢神経、筋肉”です。これらがどこにあるかを思い浮かべてみると体全体が診察の対象になっていることがわかります。鼻先から尻尾までの評価をしなければいけないので、様々な病気の可能性を考慮しています。神経科で一番重要かつ一般的な内科と一線を画することと言えば“病変部位の特定”だと考えています。これは“神経学的検査”によって行われます。麻酔や薬を使うことなく全身の神経の評価をします。血液検査やレントゲンでは知ることのできない結果を得られるため、神経病を探るには欠かすことが出来ません。これをした上で、MRIなどの精査の必要性を考慮しています。
神経病で連想しやすいのがてんかん発作や椎間板ヘルニアだと思いますが、他にも神経科なら頻繁に遭遇する病気はたくさんあります。まず飼い主さん達が気付くことは、最近動き方や歩き方が変わったという“違和感”です。その違和感が病気の始まりになっていることも少なくありません。その違和感を感じた時はご相談ください。
神経疾患も治療できることが多い
脳、脊髄、前庭、末梢神経、筋肉の疾患が対象
病変部位の特定が診断の最重要事項
日常での些細な違和感が診断につながる