抗てんかん薬 - 千葉seaside動物医療センター|習志野市津田沼の動物病院(千葉シーサイド)
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抗てんかん薬

消化器科 鈴木 優生
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てんかん発作を止めるために処方される薬の総称です。決められた回数を欠かさずに毎日継続して投薬する必要があります。2週間飲んだから発作が起きなくなる、というわけではありません。飲んでいるうちは発作から守ってくれる薬と理解していただければ幸いです。

犬と猫で使用できる抗てんかん薬が異なり何種類か存在します。効果と安全性も異なるため処方には十分な注意と配慮が必要です。基礎疾患の有無、発作の重症度、投薬のしやすさ、併用している薬などなど考慮する点が多いのが特徴です。よって、発作を止める効果を最大限出し副作用を最小限にするのが最大の目的と言えます。

抗てんかん薬治療の最高のゴールは発作0かつ副作用0(1次ゴールと言います)ですが、なかなかそうはいきません。例えば、月に100回も発作が起きる子に対して発作0を目標に掲げるのは多少無理がありますし、多剤併用している子に副作用0というのも難題です。このような場合はこのくらいだったらまずはいいかな、という着地点を決めることもしばしばあります。これを2次ゴールと言います。少しでも条件が違えば投薬内容もゴールも異なるため丁寧な説明と診断が必須と言えます。

投稿者プロフィール

投稿者
鈴木 優生 Yuki Suzuki (消化器科)
猫のOAの研究において、疼痛評価はプラセボが高く出やすい傾向にあり、今回の研究でも同様にプラセボ効果は高くでています。
これは複数の研究における猫の鎮痛剤の研究と一致しています。その理由はいくつか考えられますが、主なものの1つとして、人が自分の猫をこのような方法で評価することに慣れていないことが多いということにあります。

本試験とは別に実施したパイロット研究では、プラセボ効果もかなり高かったのですが、飼い主が自分の猫がどんな治療を受けたと思うかを尋ねたところ、プラセボ群の人は約50%の確率で正しかった(プラセボと回答)ことが、注目すべき点のひとつです。
これは確率論からしても50%になり得ます。一方で、治療群では83%の確率で正しい答え(治療群と回答)が返ってきており、より効果を実感できていることがわかります。
今回はプラセボ効果が出やすい長期の試験でしたが、それでもフルネベトマブ群でプラセボ群と比較して有意な改善効果が確認できたことは評価でき、猫の慢性疼痛治療における魅力的な選択肢となると思います。
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