脳炎(特に犬の原因不明の髄膜脳炎:MUOについて) - 千葉seaside動物医療センター|習志野市津田沼の動物病院(千葉シーサイド)

脳炎(特に犬の原因不明の髄膜脳炎:MUOについて)

神経科 大﨑 統雄
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脳炎とは

MRIの普及により犬猫の脳炎を診断される機会がかなり増えてきました。犬の方が猫より脳炎に罹ることが多いです。しかし詳しくどの脳炎かを分類し確定診断をつけるのは困難なのが現状です。脳炎の一般的な原因は免疫系の異常と言われており、犬猫共に脳炎の原因の大半を占めます。感染性脳炎もありますが、日本でそれが原因になることは一般的では無いかと思われます。

脳炎の症状は様々で、“この症状が出たら脳炎だ”という特徴的な例を挙げられません。発作、歩様異常、捻転斜傾、姿勢異常、起立困難・・・など代表的な神経徴候が見られるため、MRIを撮って初めて脳炎の診断が下ります。MRIを撮らずとも犬種、年齢、経過、神経学検査などからある程度その可能性が高いかどうかの判断をするように心がけています。

Point

犬の脳炎は若齢で発症することがほとんど

病変部位によって症状が変わる

脳炎は緊急疾患

治療

脳炎が疑わしい場合は、臨床的には原因不明の髄膜脳炎(通称MUO)として治療が行われます。MUOの治療の頼みの綱は免疫抑制剤(いわゆるステロイド)による内科的治療です。副作用も高確率で懸念されるため状況によっては免疫抑制剤を調節したり、抗がん剤を使用したりすることもあります。抗がん剤と聞くとつい身構えてしまいますが、通常の腫瘍(ガン)に対して使用するより低用量で投与するため副作用は少ないです。最近では第一選択薬として用いられています。

脳炎の治療は生涯にわたることが多いため、いかに効果的かつ体への負担(副作用)を減らすことが重要だと考えます。その子その子によって治療プランは多岐に及ぶため、経過を見ながら最適な方法を一緒に模索したいと考えています。

Point

治療法は免疫抑制剤+抗がん剤がセオリー

再発や悪化させない+体への副作用を最小限にする治療プラン

治療のゴールデンタイムは発症から3ヶ月以内

投稿者プロフィール

投稿者
大﨑 統雄 Norio Osaki (神経科)
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