発作性ジスキネジア - 千葉seaside動物医療センター|習志野市津田沼の動物病院(千葉シーサイド)

発作性ジスキネジア

神経科 大﨑 統雄
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発作性ジスキネジアは突発的な行動異常のことで、発作的にしか神経徴候が見られない病気です。診断される機会が増えては来ましたが、近年の獣医の文献での情報量に乏しく、てんかん性発作と勘違いされることが非常に多いです。

ジスキネジアとは不随意運動の一種で、発作の最中は周囲の刺激に対して完全に反応しており、意識状態は正常であることが特徴です。発作自体は数分〜数時間続くこともあれば、1日に何回も起きることもあります。

発作性ジスキネジアは大脳基底核と小脳の一部の機能不全により起きているのでは無いかと考えられています。発症と脳疾患との関連性があると仮説が出ていますが、現時点では明らかにはなっていません。多くの犬種で発症の報告があります。

典型的な神経徴候は、肢の震え(攣縮)、体の捻れ、頭部振戦が挙げられます。発作中は動物が随意運動をしようとしても、神経徴候(不随意運動)が勝ってしまい、歩行や起立が困難になることもあります。多くのてんかん性発作と比べると、動物の意識ははっきりしているため困惑したような挙動を取る様子が見られることがあります。てんかん発作のように見えることもしばしばあります。

診断は動画、神経徴候の様子の問診、発症年齢、他の神経疾患の除外(特にてんかん発作)から行い、類似疾患から鑑別します。MRIとCSF(脳脊髄液検査)は通常、異常所見を認めません。

治療については、全ての症例に対して効果的な薬剤はまだわかっていません。食事療法に反応する犬種も報告されていますが、効果を証明するのに数週間以上要するそうです。抗てんかん薬を用いても奏功しないため、治療は難色を示します。近い将来に、第一選択薬が明らかになることを期待しています。

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大﨑 統雄
大﨑 統雄 Norio Osaki (神経科)
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