
動物の病気について
animal diseases
[腫瘍]
〔腫瘍科〕四肢の骨肉腫
骨肉腫とは,犬の骨から発生する悪性腫瘍の一種です.
骨肉腫は大型犬〜超大型犬に多くみられる腫瘍で,四肢の骨での発生が多くみられます.前肢,後肢の割合は2:1で,『肘より遠く,膝に近い』部位に好発するのが特徴です.
骨肉腫は,腫瘍細胞が血行性に転移(血管を介して全身へ転移)することが非常に多く,診断時には90%以上の症例で,肺や骨に転移が起こっています.
したがって,骨肉腫の治療では,原発巣に対する治療(断脚術)に加えて,転移病巣の進行を遅らせる治療を考える必要があります.
犬の四肢骨肉腫は無治療の場合の,中央生存期間が110日に対して,断脚術を行った群では160日前後であり,断脚術のみでは有意な生存期間の延長は認められませんでした.
断脚後に,補助的化学療法(3週間に1度の抗がん剤な)を行うことで,1年前後に延長することが出来ます.