
動物の病気について
animal diseases
〔神経科〕外傷と神経病
ソファーから飛び降りた、抱っこを嫌がって変な姿勢で降りてしまった、キャットタワーから着地失敗した、重いものが倒れて体を挟んでしまった、お散歩中に自転車に当たった、尻尾を踏んでしまったなど動物を飼っている方ならこういったことでヒヤリとした経験はあるのでは無いでしょうか?
その後に不運にも歩き方がおかしくなったり元気がなくなるなどといった症状が出ると、まずは整形外科を疑うことが多いですが実は神経病も鑑別に入ってきます。(経験上は整形疾患であることが多いです)
体のいずれかの部位に強い衝撃が加わったときに神経はダメージを受けることがあります。
・頭部→意識障害、てんかん発作、脳震盪によるフラつき、歩行異常 etc…
・頚部→歩行異常、呼吸困難、知覚過敏 etc…
・胸腰部→歩行異常、知覚過敏、排泄障害 etc…
・尾→尻尾が動かない、歩行異常、排泄障害 etc…
外傷(ダメージ)が原因ですので、神経症状は直ちに現れることがほとんどです。
しかし、実は元々神経疾患を持っていてこれをきっかけに検査したら気がついた・・・ということも多いです。
神経学的検査/整形学的検査±αを行い診断します。
神経疾患が強く疑われるときはMRI/CTを実施することも少なくありません。
脳出血、脳震盪、椎体骨折/脱臼、急性脊髄障害、末梢神経障害が多いです。
病院へ連れてくるときの注意事項は、体を動かさない、曲げない、伸ばさないことです。
背中や首に力が加わり姿勢が変わると、脊髄にさらなるダメージを与えてしまう可能性があるからです。
医療ドラマで、担架で運ばれている人がベルトやプロテクターで固定されているのはそのためです。
原因やそのときの状態によって治療方針や予後が大きく変わり、命に直結することもあります。
迅速な対応が求められ緊急性が高い疾患も多いことから、早期受診/治療を強くお勧めします。