〔眼科〕角膜内皮変性症 – 千葉seaside動物医療センター|習志野市津田沼の動物病院(千葉シーサイド)
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動物の病気について

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  • [眼の病気]

    〔眼科〕角膜内皮変性症

    角膜は①角膜上皮②角膜実質③デスメ膜④角膜内皮の4層で構成されています.角膜内皮変性症は,この角膜内皮細胞が減少することでおこる角膜混濁です.

     

    【角膜の透明性を維持している角膜内皮細胞】

    角膜の透明性は,

    ⑴血管組織やメラニンなどの色素を欠くこと

    ⑵角膜実質コラーゲンの厳密な配列

    ⑶角質化しないこと

    ⑷涙液膜によって眼表面が平滑であること

    ⑸角膜自体が常に脱水状態であること

    で維持されています.

    角膜内皮細胞は,“眼球内を循環している眼房水という栄養分を含む水”を,血管をもたない角膜実質へ送り届けたり,反対に角膜実質内の水を前眼房側へ汲み出し常に角膜内が脱水状態になるよう働いています.よって角膜内皮細胞がダメージをうけてしまうと,角膜内に水分がしみ込んで混濁してしまいます.

    角膜内皮細胞

     

     

    【再生しない角膜内皮細胞】

    角膜内皮細胞は,上皮細胞とは異なり細胞分裂を行わないため,再生能力がほとんどありません.内皮の一部が失われた場合には周囲の内皮細胞が伸展することによってその穴埋めをします.健康なわんちゃんでも,加齢とともに角膜内皮細胞の数は減少していきますが,明らかな角膜混濁を引き起こすことはありません.

    角膜内皮障害を早めるような要因(内皮ジストロフィー,眼内手術,緑内障,水晶体脱臼など)があり,角膜内皮細胞の数が大きく減少した場合には,角膜混濁が起こります.

    角膜内皮変性症

     

     

    【角膜内皮変性症の原因】

    ■角膜内皮ジストロフィー

    –ボストンテリア,ボクサー,チワワ,ダックスフンド,プードルに好発します.遺伝性疾患で,早期に角膜内皮細胞が減少することで角膜混濁を引きおこします.

    ■外傷に伴う角膜内皮障害

    –水晶体脱臼,眼内手術(水晶体超音波乳化吸引術,眼内灌流など)

    ■ぶどう膜炎に伴う角膜内皮障害

    ■眼圧上昇に伴う角膜内皮障害

    ■瞳孔膜遺残に伴う角膜内皮障害

     

    【角膜内皮変性症の治療は?】

    角膜内皮細胞を障害している原因があれば,それに対する治療を行います.例えば,水晶体脱臼による物理的な障害であれば水晶体摘出,眼圧上昇であれば眼圧の正常化,ぶどう膜炎では炎症を抑える治療を行います.多くの場合は角膜の透明性が回復することが多いですが,内皮細胞のダメージが重度であれば混濁が残る事もあります.

    問題は角膜内皮ジストロフィーで,根知的な治療としては角膜全層移植しかないのが現状ですが,獣医領域では様々な問題(免疫反応,技術的な問題,ドナーの不足など)を抱えています.

    近年,SKCAHF (superficial keratectomy and conjunctival advancement hood flap) surgeryという治療の有効性が報告されています.当院でも行っている治療で,混濁している角膜表層を薄くめくり,その部位に薄くはがした結膜をかぶせる方法です.これを行うことで,水分がしみ込んでむくんでいた角膜が正常化します.

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