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〔腫瘍科〕肥満細胞腫

  • 2016年10月1日

肥満細胞腫は犬の皮膚腫瘍では1番目に多く,猫では2番目に多い悪性腫瘍です.肥満細胞腫は切除のみで根治できるものから,早期に再発または遠隔転移を起こす致命的なものまであり,その生物学的挙動は極めて多様です.また,犬と猫の肥満細胞腫では挙動・治療方法・予後について大きな違いがあります.

 

◎◎犬の肥満細胞腫について◎◎

ほとんどが皮膚に発生し,消化管や脾臓など他の組織発生することは稀です.幅広い年齢で発生し,あらゆる犬種で発生しますが,ラブラドールレトリバー,ゴールデンレトリバー,ボストンテリア,ボクサー,パグなどの犬種で多く認められます.

【診断】

肥満細胞腫の診断は,病変の針生検による細胞診を行います.特徴的な細胞診所見から診断は容易に行えます.

肥満細胞腫

【治療】

◇肥満細胞腫の治療は外科手術が第一選択となります.十分なサージカルマージン(腫瘍細胞から切断面までの余白)をとる必要があるため,傷口はどうしても大きくなります.

◇外科手術に抗がん剤治療や放射線治療などの補助治療を追加するかどうかは①完全切除できたかどうか②病理組織検査による悪性度合い③臨床ステージ,の3つの項目によって変わります.

①完全切除できたかどうか?

肥満細胞腫は外科治療によって根治可能な機会が多い腫瘍ですが,十分なサージカルマージンをとる必要があります.以前は,「水平方向3cm+深部方向には筋膜1枚」のサージカルマージンが推奨されていましたが,現在は「水平方向2cm+深部方向筋膜1枚」で十分とされています.不完全切除であれば,局所再発するリスクが高くなるため,何かしらの局所治療(再切除あるいは局所放射線治療)が強く推奨されます.

また,組織学的悪性度が高ければサージカルマージンの広さに関わらず再発リスクが高いという報告もあります.

 

②病理組織検査による組織学的悪性度

病理組織検査によって得られる組織学的悪性度は最も信頼性のある予後因子です.悪性度が高ければ,手術後に補助療法が必要になる場合もあります.

犬の皮膚型肥満細胞腫に対しては,グレードⅠ(高分化型),グレードⅡ(中程度分化型),グレードⅢ(低分化型)の3つに分類するPatnaik分類がよく利用されてきました.しかし,最も頻繁に診断されるグレードⅡの予後に一貫性がないことから,解釈が難しく利用しづらいものでした.この問題点を解消したのが,低グレードと高グレードの2段階に分けるKiupel分類です.Kiupel分類では,グレード間で明らかな予後の差があり,正確な予後判定が可能となります(下図;Patnaik分類とKiupel分類)

肥満細胞腫 分類

 

③臨床ステージ

腫瘍の進行や広がりを評価することで,予後予測や治療方針の決定に利用できます.ほとんどの転移性の肥満細胞腫はまずリンパ節に転移し,その後肝臓や脾臓に転移します.

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①完全切除できたかどうか②病理組織検査による悪性度合い③臨床ステージ,これらの3つの項目を評価することで治療方針を決定します.

例えば,臨床ステージが0あるいは1で病理組織検査で低悪性度の評価であれば,十分なサージカルマージンをとれば根治の可能性が高く術後補助治療の必要はありません.一方で臨床ステージが2あるいは4の場合や,病理組織検査で高悪性度の評価であればサージカルマージンに関わらず術後化学療法が必要になります.

 

◎◎猫の肥満細胞腫◎◎

皮膚(主に頭頸部)と内臓(脾臓や腸管)に発生します.皮膚の肥満細胞腫は,犬とは違い緩やかな経過をたどることが多く,外科手術単独で完治することが多いです.

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Tel.047-407-0027

診療時間

午前 9:00~12:00
手術 12:00~15:00
午後 15:00~19:30
夜間救急対応 20:00~23:00

対象動物
犬、猫

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