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〔腫瘍科〕猫の肥満細胞腫

  • 2016年10月3日

猫の肥満細胞腫(MCT)は,猫の全腫瘍の約2〜15%を占めており,解剖学的に皮膚型脾臓/内臓型腸管型に分類され生物学的挙動はそれぞれで大きく異なります.

Ⅰ. 皮膚型MCT

皮膚型MCTは,猫の皮膚腫瘍の中で2番目に多く,頭部,頸部,体幹に発生します.孤立性に発生することがほとんどですが,多発性に発生することもあります.多発性に発生した場合は,常に脾臓型MCTからの播種病変である可能性を考える必要があります.皮膚型MCTは病理組織学的に①肥満細胞型,②組織球型の2つに分類されますが,猫の皮膚型MCTのほとんどが,よく分化した分裂指数(MI)の低い①肥満細胞型であるため,良好な予後が期待できます.しかし,MIが高く形態的に未分化なMCTの場合には悪性の挙動を示す傾向にあるため,経過には注意が必要です.

 

Ⅱ. 脾臓型MCT

猫の脾臓に発生する腫瘍では,脾臓型MCTが最も多いです.脾臓型MCTは肝臓,リンパ節,皮膚など他の臓器へ比較的高い頻度で播種し,40〜100%の症例で肥満細胞血症もみられます.そのため,肥満細胞血症や皮膚の多発性肥満細胞腫が認められた場合,脾臓型MCTの播種である可能性を考慮して,脾臓を中心に腹部の精査を行う必要があります.

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〔治療〕

犬と同様にMCTの治療の主軸になるのは,外科治療です.特に皮膚型MCTでは,外科治療単独で治癒することが多いです.病変を完全切除できているかどうかが必ずしも予後と相関するわけではないめ,犬と違いサージカルマージンを広くとる必要がありません.また,脾臓型MCTでは,脾臓摘出が推奨されています.たとえ他の臓器や末梢血への播種(骨髄浸潤)が確認されたとしても,脾臓摘出によって臨床徴候は改善傾向を示し長期間QOL(生活の質)を維持できる可能性があるからです.

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猫のMCTも,犬と同様に外科治療が主な治療法ですが,切除困難な場合や転移が認められる場合に内科治療が用いられます.肥満細胞腫の猫38例においてロムスチン(40〜60mg/m2,3週間おき)を使用した場合の奏効率は約50%(CR:18%,PR:32%)で,奏効期間の中央値は168日(25〜727日)でした.

MCTにおいて,肥満細胞からの脱顆粒(主にヒスタミン)による影響を緩和するために抗ヒスタミン薬が必要になります.

猫の皮膚型MCTの52〜92%においてc-KIT変異が認められたとの報告があり,まとまった報告はありませんが分子標的薬が奏功したというケースレポートがあります.

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