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〔眼科〕失明にいたる網膜疾患

散歩に行きたがらない,おもちゃが追えなくなった,ものにぶつかるなどの症状から,「眼が見えていない」のではないかと推測することが多いです.このような行動を示すのは両眼の視覚障害がある時です.片眼性の視覚障害の際は無症状のことが多く発見が遅れる場合がほとんどです.

失明①

 

【視覚障害がある場合の考えられる病気】

どういった経路で私達は物を見ているのか?というのをまず知る必要があります.まず,光は眼球内(角膜→前眼房→水晶体→硝子体)を通過して網膜に到達します.網膜の視細胞に到達した情報は視神経に集約され大脳後頭葉へ達して初めて物をみることが出来ます.

視覚喪失を認めた際には,大きく4つの病変部を考えます.

①光が通過する角膜,前眼房,水晶体,硝子体の中間透光体の混濁

②光が電気的な信号に変換される場所である網膜の疾患

③電気的な信号を大脳後頭葉へ運ぶまでの道のり(視神経,視交叉,視索,視放線)の病変

④視覚野といわれる大脳後頭葉の病変

 

今回は失明に至る網膜疾患について説明します.

【進行性網膜萎縮症/PRA】

進行性網膜萎縮(PRA)は広義の疾患名で,現在では◯発症年齢◯犬種◯初めに障害される細胞◯遺伝形式などによって更に細分化されます.多くのケースで病期初期においては網膜視細胞のうち桿体細胞の変性から始まり,後に変性は錐体細胞を含む網膜全域に波及します.よって症状は,初めは夜盲症から始まり後に全盲に至ります.

PRAPRA2

この写真のように網膜の変性所見を見つけるのは容易です.タペタム領域における反射亢進,ノンタペタム領域における脱色素,視神経乳頭の萎縮,網膜血管の狭細化などが認められます.

 

 

【突発性後天性網膜変性症候群/SARD】

突然,網膜の視細胞(桿体細胞および錐体細胞)が死滅し失明に至る病気です.中年齢以降の犬で発生することが多いです.原因は今のところ分かっておらず,治療は極めて困難です.PRAとは異なり,発症時には網膜には肉眼的な異常所見が認められません.よって,網膜後部疾患(視神経炎,脳炎,脳腫瘍など)との鑑別が難しくなりますが,SARDでは網膜視細胞が死滅しているためERG検査を行えば容易に鑑別することが出来ます.

SARD

この写真のように,SARD症例では初期には網膜に肉眼的異常所見を認めないことがほとんどです.ある報告では,急性視覚喪失を呈した犬140頭においてSARD症例が120頭,網膜後部疾患が20頭でした.SARDと網膜後部疾患では重複する臨床所見が多いためERG検査を行い網膜視細胞の機能を評価しこれら2つの疾患群を鑑別する必要があると記載されていました.

 

 

【網膜剥離】

神経網膜が網膜色素上皮層から剥がれてしまった状態を網膜剥離といいます.網膜剥離は,①裂孔原性網膜剥離②非裂孔原性網膜剥離の2つに分けられます.

①裂孔原性網膜剥離

生じた網膜の裂孔から液状化した硝子体が入り込み網膜が剥がれていきます.

RD

②非裂孔原性網膜剥離

脈絡膜炎や高血圧症などにより,網膜下に浸出液または血液が貯留して剥離剥離が生じます.全身疾患が原因であることが多く,原因を早期に特定し治療を行えば視覚回復する可能性があります.

RD2

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